内田樹編『街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか』(晶文社)を読んで
先日来「縮小する日本でどう生きていくか?」について考えている。
カギは「いかにして上手に負けるか」である。
本書は現在の政治体制の危うさとそれがもたらす危機について述べている。
もっと砕けた言い方をするなら、
「安倍政権はヤバい。(もちろん悪い意味で)」
というのが、本書の伝えたい内容であると思う。
それが様々な識者から述べられている。
どうも安倍晋三氏、そして、日本という国は一人相撲を取っているように見える。
「他に目を閉ざした軍国主義への序章」などと格好をつけた言い回しをする必要はない。
「おぼっちゃまの一人相撲」だ。
他国や自己と考えを異にする人の話を聞かないような人間はどこにでもいる。
私にだってそういう面はある。
しかし、そういった人が人の上に立つ、ましてや国の舵取りができるのだろうか。
「日本は日本。他のことは知らぬ。」を貫いた結果がどうなるかは想像に難くないだろうと私は考える。
上記「おぼっちゃま」という例えは、「法制局長官の方が総理大臣より偉いのか」発言や、護憲派の野中広務氏や古賀誠氏が自民党を去った後に(自分が正しいと思っているのであれば、昔から改憲を唱えていればいいにもかかわらず)、改憲案を積極的に進めたこと、あるいは「取り巻き」で固めたNHK経営委員会人事等に代表される、氏の「生まれながらのプリンスが自分の思うがままに事を操ろうとする様」によっている。
この辺りは私が述べるよりも、本書に任せたほうがいいだろう。
本書から得た実行すべき行動は以下ではないだろうか。
1.国内政治に関心を持つことはもちろん、それが海外の政府やメディアにどう受け取られているかに敏感になること。
2.今後どのような時代が来るかは分からないが、間違ったことに「間違っている」と言えること。「竹槍ではB29は落とせない。」という言う勇気を持つこと。
本心ではこういう時代は来てほしくなかった。
本書を読むにつけ、故事「鼓腹撃壌」が脳裏によぎった。
まったく、困った政治ほど意識せざるを得ないものはないのである。