語楽。

私自身の経験を元に外国語学習に役立つ(?)情報をお伝えしていきます。その他、旅行や読書なども書きます。答えられる範囲であれば、リクエストにもお応えいたします。

増田寛也編著『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』(中公新書)を読んで

書店に立ち寄った際に平積みだったので、手に取った。

要旨はおそらく以下のようになる。

1.東京への人口一極集中がしばらく続くが、供給源である地方の人口は減り続けるので、いずれ東京の人口も減少に転じる。

2.子供を持ちたいと考える若年者は多いので、その障害を取り除くことが肝要である。

3.人口は確実に減少する。しかし、人口急減社会や人口極点社会は避けなければならない。いわば、「上手く負ける」ことが求められる。

上記の3点について、データ、市町村の取り組みなどを挙げながら解説・対談している。

 

以下は「地方移住」に関して私個人が気になったこと、感じたことである。

現在、私はサラリーマンとして横浜市で生活しているが、今後どのような人生を歩むかという観点から、「地方移住」も視野に入れている。

以前は地方移住といえば、農林水産業関係への従事を意味していたので、私にとってはハードルが高かった。

しかし、現在ではニセコを抱える北海道の倶知安町のように外国人観光客の誘致に力を入れているところもあり、第一次産業従事でもなく、またいつ撤退するかも知れぬロードサイドの店舗で働くわけでもない働き方が可能となってきているようだ。

また、将来的に結婚したいと考えているので、「子育てのしやすさ」を考えると地方に軍配が上がる。

「職さえあれば、田舎で暮らしたい。」という考えは持っていたが、「職に見合った能力を身に付ける」というよりも、「身に付けた能力を活かせる場所を地方に見出す」という方が現実の選択肢としては正しいのかもしれない。

ここから取るべきアクションは以下であろう。

1.気になった地方自治体について、ウェブ・書籍等で詳細に調べる。

2.その自治体へ赴き、実際の「空気」を体感する。そこで、その自治体が抱える問題(=こちらが提供できる解決策)が何であるかを理解する。

3.1と2を繰り返して、出来たプランと現状を比較する。

以上が現実的な、地に足の着いたプランだと考える。

日本人は1億以上いるのだから同じことを考えるのは私だけでは無いと思う。この1を行う際に、現状ほとんど無名だが、ポテンシャルのある(ex.外国人観光客が増えつつある)自治体を探すことが肝要になるのではないかと思う。

 

この著書から読み取った内容を元に、私なりに練ったアクションプランは以上である。

クリックひとつで何でも買える時代において、都市部に住むインセンティブはそれほど多くないように思う。

地方、それも「田舎」と呼ばれる地域への移住も真剣に検討されるべきなのかもしれない。

最後に本書対談に登場する藻谷浩介氏(『里山資本主義』の著者)の言を引用したい。

「国民にも発送の転換が必要なのではないでしょうか。(中略)子孫も残せず、消費されるだけの一生よりも、田舎に行って年収二〇〇万円ぐらいで農業をやっているほうが、よほど幸せだと思うのです。ところがそれをやると、”都落ち”的な視線に晒される。そうした風潮は、あるべき人口移動の妨げになります。」