音読の効用 テキスト編その1
「音読が勉強や脳にいかによい影響を与えるか。」というのはここで言っても仕方がないので、ここでは私が簿記の学習にどう活かしているかを紹介したい。
まず、テキストの音読。
これは多くの人がやっていることだと思う。
特に企業会計原則や原価計算基準などの諸規則は声に出して読む方が多いだろう。
私はテキストを音読する際は、以下に注意して行っている。
①テキストの重要度ランクに従う。
②テキストの順序通りでない読み方をすることもある。
③覚えることを意識して読む。
④夜に読んで、朝に読む。
⑤テキストを覚えるのは大切だが、暗記が目的ではないことを意識する。
①はランク付けが5段階であれば4以上、3段階であれば2以上の箇所を読む。
重要度の低い箇所も大切ではあるのだが、時間は限られているし、音読は予想以上に疲れる。
また、仮に時間に余裕があり、重要度の低い箇所まで勉強の手を伸ばせるのであれば、そのときも重要度の高い箇所がきっかけとなり、覚えやすい。
②は逆説的かも知れないが、「順序を崩すことで順序を意識することができる」方法だと考えている。
特に、工業簿記・原価計算は「自分が今どこを勉強しているか。」を意識することが求められる。
そこで意図的に順序を崩すことで、「あ、このA分野は、あのB分野との関連が高いのか。」と意識させるのである。
単純にマンネリ化防止の意味もある。
③は簿記の勉強では意外と意識されていない。
語学の勉強であれば、教科書の暗記はある程度受け入れられるのだが、簿記や数学の勉強となると「教科書は覚えても意味が無い」という考えに陥る。
私も「問題が解けるようにならないと意味が無いので、教科書はサラッと流す程度に。」という考えを持ちながら2級までは勉強してきた。
しかし、巡り巡って、「教科書の内容を覚えていないと、手も足も出ない。仮に問題が解けたとしても、実務の基礎にはならない。」という結論に達した。
2級までは「サラッと読む」だけで、理解できたが、ここに来て「サラッと読む」では理解が追いつかない状態になったのかもしれない。
④は記憶を助けるための方法であり、テキストの音読以外にも効果がある。
⑤は③と真反対のことを言っているようだが、「結局、試験に合格しなければ何の意味もない」のである。
何時間音読に費やしても、問題が解けなければ意味は無い。
さらに言えば、全く勉強しなくても、合格できればそれでいいのである。
「実際の問題ではどう出るだろう?」と考えてみたり、「あ、これはあの問題で出たな。解説を読んでも不明瞭だったが、こういうことだったのか!」という読み方ができれば最高だと思う。
以上、テキスト音読の際に気を付けている点を挙げてみた。
次回は実際に音読してみて感じた効果について述べてみたいと思う。